after our music hour vol.2

今回は楽曲編、コンサートを形成する「さまざまなパズルのピース」の中でも、俺が最も「専門」としている部分です。
毎回、必ず新曲は作るようにしてるんですが、今回はバージョン違いや新アレンジなんかも含めて、ずいぶんたくさん作ってしまった〜
■Please come in! Uncle beard
今回の為にまったく新しく書き下ろした新曲。
はじめに「構想」みたいなのが出来上がったのは、まだコンサートの詳細が全然決まっていない9月頃だったと思う。
で、その「構想」はどういうものだったか?というと、1年を締めくくる12月のコンサートということで、今年レコーディングをしたりPVを制作した「手ぶらでいこう」と何か「対になるような要素がある曲」ということと、やはり季節柄「クリスマス」をイメージできる曲。
そうは言っても「コテコテなクリスマス」ではなくて、元々「海外の習慣」だったけど、今ではすっかり形を変えて「日本の祭り」に定着した・・・って、ちょっと「皮肉」を込めて。
それから「構想」の一番は「コンサートのオープニングになる曲」
企画担当者と演出の話を進めていく上で、ドンドン曲想が膨らんで、厳かなイントロが付いたり、結局アレンジを変えてコンサートの中で3回も登場したりと、全体を通じてサウンド部門の「テーマ」みたいな曲になりました。
しかし、そこまで「コンサートの顔」みたいになってしまった曲って二度と「使いまわし」みたいに演奏する機会が作れないんだよな〜!
ところで、「構想」にあった「手ぶらでいこうと何か対になるような要素」
自分で言うのもなんだけど「実に俺らしい」遊びだったんですけど、気付いた人いますかね?

■来てよ!ひげのおじさん
上記「Please come in! Uncle beard」のボーカルバージョン。
タカシくんを初めて見た時、ボサノヴァ調の曲の歌いまわしが印象的だったので、そういうアレンジで考えたんだけど、送られてきた仮歌が意外に元気の良い感じだったので、もう少しサンバっぽくした。
歌詞については、俺の中で「サンタさんってどういう人?」っていうのが、どうも「男はつらいよ」の「寅さん」みたいな人のイメージ(寅さんはひげ無いですけど)
「フラッと現れては、なんかオモシロイことやらかす」みたいな。
とにかく、曲中「クリスマス」も「サンタ」も出てこないように、具体的な「クリスマスソング」にはしたくなかった。ただの「大好きな人を待ってる」歌。

Please come in! Uncle beard〜来てよ!ひげのおじさん〜

                          
夕方を知らせるメロディー流れる街角
家路を急ぐ

ひとりで簡単な晩ごはん済ませ 時計気にしながら
思いをはせる

  くつしたに穴が空いても 片方はとっておいて
  軒先にぶらさげたなら それが目印

眠ったふりをして 薄目開けて待ってる
早く来てよ! おじさん



「よいこにしてましたか?」といつも聞くけれど
あなたはどうなの?
この間もひどいヘマをやらかしたと
風のうわさで聞いたよ ホント?
  デタラメなことばかり 飽きもせずしてるけれど
  そんな話を聴くのが なにより楽しみ

お得意の「ホラばなし」で 今夜も笑わせて
もっと!もっと! おじさん



(間奏)



  ホントにダメな人だけど みんなあなたが大好き
  世界中の人達を 笑い顔にできる

毎年会えるのが何よりのプレゼント
きっと来てね! おじさん

早く来てよ! おじさん


2009 KITO,Akira All Rights Reserved

■さぁ、どうよ?
元々のメロディーは一昨年のクリスマスの頃からあって、寝かしていた曲。
スティービー・ワンダーの「Sir Duke」のホーンがユニゾンでやってる部分にインスパイアされて作った曲なんで、こんなタイトルにしたんだけど、図らずもメンバーに様々な試練をあたえて「どうよ?」と試すようなことになってしまった!
そんなに難しいか〜?このリズム。
「スタンディングではないホールコンサートで、いかにしてお客さんを立たせるか?」
という企画担当者のリクエストに応えて作ったんで、これも二度と使えない曲だなぁ。
■うたをうたおう
調べたら最初に作ったのは2005年の2月9日と日記に書いてあった。
最近は特にライブのクライマックスに持ってくることが多いんだけど、メロディもサビも無くなって、元々のイントロ部分のリフレインだけでやるようになった。
(live @名古屋・栄URBANA Latina 2009年8月29日)

タカシくんといろんな打ち合わせメールのやりとりをしていて、彼の「僕よく言うんですけど、泣きながら笑ってるような感のある曲が好きでして」という一文が目にとまって。
彼にこの曲のリフレインを歌って欲しいと思った。
自分で言うのもなんだけど不思議なメロディで、ライブなんかでみんなと合唱してる時は、ただひたすら元気な感じで気付かないんだけど。実際は結構「物悲しい旋律」だと思う。
これを彼の声でドーン!といったら絶対いいんじゃない?
コンサートのハイライトはそこじゃない?
なんか、もうクライマックスの絵が浮かんできちゃいまして。
で、ここからはいろいろ早かった!
タカシくんのイメージでリフレインの導入となるメロディを新たに作って、歌詞を考えて。
そこに持ってきた「うたをうたおう」という言葉にすべてが集約されるように。
コンサートの様々な要素が、全部その瞬間の「お膳立て」になるように・・・とにかくパズルの「完成」が見えたのです。
「あと、足りないピースはなんだ?」と客入れのBGM作って、曲順決めて。
すでに決まっていた「アワーミュージックアワー」というコンサートタイトルの「心」部門の「テーマ」になりました。
そんな事をちゃくちゃくとしてる時に彼から「仮歌」の入ったデモ音源が届いた時は、もうガッツポーズ物だったなぁ。
彼自身も、俺が送ったオケ音源を一聴して「シックリきた」と言ってたし、彼とよくコンビを組んでるギターの斉藤拓くんも「タカシにピッタリの曲だと思った」って・・・
そりゃ、そうだよ。君のために作った曲だもん!
で、その「デモ音源」改めて、今聴きなおしても・・・自分で作った曲なのにジーンときちゃいます。
タカシくんが言うには「ザッと歌った仮歌」で、あまり多くの人に聴いてもらうのは不本意かもしれないけど・・・あくまで「そういった事情」を踏まえた上で聴いてください!
これまた、二度と生では演奏できないかもしれませんから。

うたをうたおう
                    
きっとどこかで 出会えるはずの君や
いつも一緒にすごす仲間達にも
「うれしいんだ」って気持ち
「たのしいんだ」って気持ち
うまく伝えられない



遠い所へ旅立っていく君や
二度と会えないかもしれないあなたに
最後に別れのあいさつがしたい
だけど言葉が出ない



だからメロディにのせて
「ありがとう」の
うたをうたおう


ラララ・・・


2009 KITO,Akira All Rights Reserved

次回あたりは写真なんかもふんだんに盛り込んだ当日レポになる・・・か?
(つづく)


鬼頭哲http://kito-akira.com