「世代の違い」について ①

「悪くはない」程度


学校に通っていた頃の「人付き合い」はせいぜい、学校内の先輩・後輩ぐらい。多少校外に広がったとしても、大体同年代の連中との付き合いぐらいだろう。
これが社会に出るとぐっと幅が広がり、10も20も歳の離れた人と付き合うようになる。ご多分に漏れず「小さな社会」我がブラスバンドも幅広い年齢層のメンバーで構成されている。
自分が若いうちは、年上の人の言ってることにピンと来なくても「ふんふん、なるほど」と聞いている。それは自分が体験した事のない30代だったり40代の言う事だから。
そして、自分が歳を取ると次は下に10も20も歳の離れた若い連中がやってくる。
ところが今度は年下の人が言ってることにピンと来ないと、あからさまに「違うんじゃないの?」って思う。「俺が若い頃は」みたいな話。
こうやって書いてみると、実に「良くない習慣」なんだけど、ついやってしまう。
たぶん先輩達もやっていたろうし、きっと今若い人達もそのうちやる。
今、38の俺ぐらいの年齢ってのは社会人のちょうど真ん中辺りなんだと思うけど、今までのように「前だけを見て」という事ばかりでなく、ちょくちょく振り返ったりするようになった。
すると、今書いた様な事に気付くのだが、こと「音楽」ってジャンルに限定すると、先輩達にとって俺達が若い頃って今の若い連中と同じだったのかなぁ〜?
自分で言うのもなんだけど、もうちょっと「話がわかる」ってのが無かったろうか?
もちろん「音楽」に限った話だけど、「世代の違い」ってのはそんなに細分化されたものではなく、「俺達ぐらいから上・下」って大きく分かれている気がするんだな。
ブラスバンドでも、相変わらず元気のいい先輩達とメキメキと力をつけていく若い連中の間に挟まれ、一方とは「共有できる気持ち」、もう一方とは「共有できる言語」で物を作っていくっていう作業になるんだけど、少々面倒なそういった事もバンドならではの楽しみだと思う。方法は違うけど、上とも下とも共有できるものを持っているのだ。
1970年前後に生まれた人間ってのは最も感受性が強かったと言える時期に「音楽業界」の大きなターニングポイントを経験しているのだ。そして「前も後も」「変わり行く様」もリアルタイムに体験しているのだ。
これは結構デカイ。俺はこの時代に生まれて良かったと思っている。
凄く広い範囲で周りを見渡しても、特に「センス一発」みたいな分野において突出した才能を発揮している人は、この世代に多い。
この「世代の違い」に大きく影響してくる話ってのは、長くなるのでまた今度。
(たぶん②に続きます)

(鬼頭 哲)http://kito-akira.com