after our music hour vol.4


とりあえず、会場入りしてすぐにロビーではプログラムの作成が。
そしてホール内では舞台の設営、安部田さんをリーダーにメンバー有志も力仕事に加わってくれます。
ここで「おや?」と。
いわゆる「小屋付き」の舞台スタッフさんが、例年より随分多いのです。
これまでの実績か、はたまた「世界のアベタ」が舞台監督だからか?
後から聞いた話では、ホントの「小屋付き」ではなく「外注」のスタッフさんも多かったそうなので「アベタ人気」もあながちハズレてないでしょう(「よく動くスタッフだったよ〜」と安部田さんもほめてました)
そして、あれよあれよと言う間に出来あがった舞台!

(写真、向かって右がその舞台で、客席が「すり鉢状」に高くなってるんで「大したことないじゃん!」と思うかもしれないけど、このたった「30cm刻み三段」の舞台が後ほど絶大な効果を発揮するのです!)
これまで2度の千種公演の時はパーカッションこそ、備え付けの「せり舞台」で少し高くなっていたものの、基本「フラット」だったのです。
で、3度目と言うことで「ちょっと見せ方を変えたい」という企画担当者の意見もあったし、音の面でも効果があるだろうと特注の「ひな段」を組んでもらったのです!
そして、これをやるなら「安部田さんしかいない!」とわざわざ駆け付けてもらったのです。

←昨年のホール公演では大量の風船を降らせてくれたり、こっちが思いつきで頼んだような「素人考え」でも「できるでしょう!」とふたつ返事で引き受けてくれる。
で、出来あがったものは見事にイメージ通り!
安部田さん、カッコ良すぎです!

で、俺はというと、そんなテキパキとした仕事ぶりに惚れ惚れ見とれながら企画担当者の浅利さんと最終の打ち合わせ(一応「小道具」なんかも作ってます)
これまで、何度も打ち合わせを重ねてダンドリを決めてきましたが、ここでもやはり修正すべき箇所を確認。
しかし、そこまでやっても進行がスムーズ過ぎて時間があまる!!!順調すぎだ!

もちろん、時間がなくてバタバタする方がイヤだけど、余裕がありすぎるのも「やり残したことがあるんじゃないか?」と不安になるもの。
そこで、今回「パンデイロの皮を張り替える」という「暇つぶし」を用意していたのです。
考え事をしつつも没頭できて、さらに「あまり誰からも話しかけられない時間」って本番当日に作れないから、良い気分転換になった!
で、朝から作業に参加してるメンバーはお昼休憩。こんなにゆっくり弁当食えるってめずらしい!
メシ喰っても時間あまる!楽屋では手拍子・足拍子のレクチャーなど、無駄に一日が長〜い!(全然話が進まないじゃないか!)
ま、本番の日特有の「独特の空気」ってのは常にありながらも、それが「ピリピリ」したものじゃなくて、リラックスしたワクワクする感じで良かったんですけど。
    
お昼過ぎにボチボチとメンバーが集まりセッティングなど。
    
ステージでは到着前のタカシくんに代わり照喜名くんが例の「キャンドルのようなもの」のテスト(この時朗々と歌い上げたのは「戦場のメリークリスマス」でした)

「なんでこれをデカイ写真で?!」って気もしますけど、本来「大マジメ」にやる場面で、こういうどうでもいいようなふざけたことをゲラゲラ笑いながらやるのもKABB!の特徴です!
そうはいっても、ピシッと締めるとこは締めて、オープニングの演出のための「導線」の確認など、安部田さんの指示で入念なリハーサルが繰り返されます。
   
ほどなくしてタカシくん登場!早くもオープニングで着る衣装をまとってます。
今回、この衣装を準備したのは制作の伊東だったんですけど、バンドの制作は1年生の彼女も「服飾」に関してはスペシャリスト。企画のアイデアをバッチリ表現してくれます。
安部田さんをはじめ、こういった多くの「餅屋」が舞台に色を添えていきます。
ようやくサウンドチェックがはじまり、ついに初の「歌との共演」
デモ音源は聴いていたもののホトンドのメンバーは彼の歌を聴くのは初めてです。
そんな期待感高まるなか、まず1曲あわせてみて・・・

三原くん、日名子さん・・・いや、メンバー全員のタカシくんの歌う背中を見てる表情の良かったこと!
なかなか、ステージの上であんな「優しい」表情をしてる演奏家を見たことがない。
タカシくんが「好きだ」という「泣きながら笑ってるような感のある曲」ってのは、共演者もそんな表情にさせてしまうんだなぁ。
このムードがお客さんに伝わらないわけがない!本番もウマくいく事を確信。

それから、今回パーカッション隊がフロントに出てくる場面があったんで、それの確認も・・・
で、その後ろでは管楽器のメンバーも小物のパーカッションで参加って事にしたんだけど、最前列中央のクラリネット・岡林さんが相変わらず「イイ仕事」をしてくれます! 
こういう、みんなの目に付くポジションにオーバーアクションでちょっと「お調子者」がいるって重要。以前レコーディングの時もチューバ・高橋くんに前に出てきて踊ってもらったり・・・
よく、お客さんにKABB!は「楽しそう」って言われるけど違うんです!
ホントにおかしくて笑ってるんです。
「ハイ、笑ってー!」って作る「笑顔」と「笑い顔」は全然別物。
「楽しそうにしてる」んじゃなくて、ガチで「楽しい」をやるってのもKABB!の特徴です!

良い雰囲気の中、チェックを終えて一旦解散。こういう時も舞台監督がいてくれると「何時に集合!」って的確な指示を出してくれるから、楽だ〜!
18時ロビー開場と共に大勢のお客さんが入場してきたらしいけど、さすがに4回目のホール公演ということで、手際もよく浅利さん曰く「拍子抜けするぐらいに」スムーズに客入れを終了。
舞台裏ではメンバーも支度に余念がありません。
   

引き続き18時30分より、ホール開場でお客さんが会場内にドンドン入ってくる。
ここから、今回作ったBGMが流れる按配ですね。
このBGMについても、早い時期から打ち合わせで話題に上がっていたんだけど「光と声のオープニング」っていう演出の「さらに前の部分」の演出ということで。
「アコースティックじゃないものがいいんじゃないか?」って話だったわけです。
会場に入った時点で電気的な音がスピーカーからそこそこの音量で流れてて、開演と同時にステージって「音の出る場所」を変えた所からアカペラ「生声」のボーカルが小さめの音でお客さんの「聴くぞ!」という注意を引き付けて、その後に管楽器が音を重ねていくという演出。
で、さらに「曲の切れ目」みたいなものがなくて。「30分かけてジワジワ盛り上がる感じで」などと、いろいろ注文があって・・・もう「探すより作った方が早い!」となったわけです。
おそらく、会場に集まったお客さんは、普段どっちかっていうと管楽器中心だったりアコースティックな音楽を聴くことが多かったろうから、ピコピコした電子音はさぞや「耳障り」だったろうなぁ。(その分、その後の「生音」が心地よかったでしょ?)
さて、そんな「不快な音の洪水」にお客さんがウンザリしてる開演5分前にメンバーが舞台袖に集合。舞台監督のゴーサインが出た後、メンバーひとり一人に「発光体」を渡して、真っ暗なステージにゆっくりと送り出していきました。ポツリポツリと増えていく光を舞台袖のモニターで見てたけど、キレイだったなぁ。

一番最初に出て行ったアルトサックスの松本くんから最後のユーフォの照喜名くんまで約2分半。その後タカシくんが「キャンドルのようなもの」を手に登場してアカペラで3分弱。
メンバーはその間、いっさい音を出さずにいたんだけど。そういうのも珍しかったんじゃないかな?期待感の高まるお客さんの前に出て行って長い人で5分以上も何もしない。
メンバーみんな暗闇の中でどんな事、考えてたんだろう?
BGMがフェードアウトしてタカシくんが歌い始めるまでの、ホントに数秒の静寂が作り出す会場のピンとした空気がとても美しかった。
タカシくんの「スマイル」が終わり、クラリネット・フルート・・・「チューニング」という名前のイントロで音がひとつひとつ重なったところで、いよいよ俺も舞台へ。
タカシくんから「キャンドルのようなもの」を受け取り、彼は退場。
全員のロングトーンが最高潮になったところで、舞台に明かり。
さぁ「アワーミュージックアワー」開幕です。

(つづく)


鬼頭哲http://kito-akira.com