報告!「合宿ウラ話」的な(後編)

kabb2009-02-17

さて、前回「後編に続きます」とは書いたものの、なまじっか結論めいた事を書いてしまったので・・・
とはいえ、けっしてエピソードが無い訳ではないのです。
つーことで、引き続き「ウラ話的な」を。
イーモンがデキタ」とは言っても、すべてがスンナリ順調だったかっつーと、そうでもなく。
というか、トラブルの連続!!!
「あ〜もう!」となっては「再起動!」なんて感じでした。
それでも、一応「準備」が万端だったせいか、それなりに進行していったのです。
で、この「準備」ってのは、主に何をして行ったか?というと。
今回、パートや個人での「別録り」ということで、ヘッドホンを着用して「クリック」と呼ばれるガイドを聴きながら、自分の分を演奏するというスタイルだったのです。
で、まぁおそらく「みんな不慣れだろうな」というのもあったし。
現場で、ジャンジャン編集していくダンドリも必要だろうと思っていたので。
ただの「メトロノーム」のようなクリックではなくて、曲のサイズ通りのMIDI音源の打ち込みを全パート分作って、録音するトラックと同時に走らせる事にしたのです。
そうすると、ディスプレイをひと目見れば「ここ」ってのがわかりやすいというわけです。
万が一の「録り忘れ」とかも無くなるし。
そういった「準備」が俺にとって8割ぐらいの重要性で、実際合宿の現場に入った後はどちらかというと「順番にこなしていく」という、なんとも「ナッシン・クリエイティブ」な作業だったのです。
つまらんと言ってしまえばそうなんですが、現場で俺が「う〜ん」と考え込むような事があっては、みんなに迷惑をかけてしまいますからね。
そんな感じで「ほぼ予定通り」のメニューをこなして初日を終えて。
「明日の12時間もほぼ見えたな」と呑気に深酒をブチかましのです。(ちなみに12時間というのは施設が利用できるのが朝9時から夜の9時までなのでした)
ところが2日目に予定外!
ここが俺的に今回の合宿のハイライトなんですが。
実はレコーディングする曲に「うた」を入れたかったのです。
で、歌詞を依頼していたのですね。
「上の句」は俺が考えて、それに続くいくつかの言葉を考えてもらうという。
元々は俺が考えていたんだけど、なかなか良い言葉が見つからずに「お願いします!」と頼んだってのもあって「あんまり催促はできないよなぁ」と待っていたのです。
それこそ「今回は無理かな」と。
で、午前の分の録音を終えて「そろそろ、お昼にしますか」って時に「できました!」と歌詞が届いたのです。
これがね、もう見た瞬間に「ジワッ」と来る。
いっぺんに気にいりまして
「これは何がなんでも録らなきゃ!」と思ったのです。
とりあえず、「1時間後に昼ごはん終わったら録るから、みんな集めて!」と言ったわけですが・・・
そうなのです「歌入りロングバージョン」のトラックガイドの準備をしていなかったのです。
え〜っと、手前味噌でなんですが、結構「鬼頭ブラスは曲の長さがちょうど良い」とお褒めの言葉をいただく事があります。
これは、俺が昔広告の音楽に携わっていたという事もあるでしょうし、実際今曲を作るときデモ音源を作って何度もプレイバックして足したり引いたりして「もうワンコーラスかな?」とかを考えているのです。
そういった構成が「まずありき」でアレンジを膨らませて行くのですね。
今回録音のために準備した曲のガイドも考えに考えた上で「このサイズ」と決めたものなのです。
ってことは、案外いきなり「曲を延ばせ」と言われても「え〜!」となるのですね。
いや、別に誰に「延ばせ」と言われたわけでもないんですけど
「うた入りバージョン」作りたかったんだもん!
そこからの1時間・・・
「え〜っと1・・・2コーラス歌った方がいいな」「その後、楽器のメロディーが入ってくるところは歌詞じゃない叫びみたいなの入れよう」「う〜ん、そうなるとラララじゃ弱いな」とデッチアゲ景気の良さそうな語句を考え、自分で何度も歌ってみて「おかしいか」と直し。
で、まぁなんとか「うた」の部分のサイズは見えたんだけど「楽器のメロディからいきなり歌は無いわな」となると「あ〜もうテルキナだ!」と、またユーフォソロ。「う〜ん、何小節かなぁ・・・」
(こういう時に、やっぱ「デモ」があると聞いて「いる・いらない」が判断できるから便利だー)
なんとか「とにかく歌が録れる」って仮のガイドトラック作って・・・
あっという間に1時間過ぎてしまった!!!!!
しかしね、やっただけの事はあって、実に良いムードのものが録れました!
今回の合宿、この「歌入れ」があると無いとで全然違っただろうなー
前日にちょっとやった「リズム道場」のレクチャーをさっそく取り入れたり。
それから「聴いてる人が楽しくなるように」って演出も。
これは特に「マル秘テクニック」ってほどのものじゃないけど「楽しそうに歌う」っていうインチキはダメ
ホントに爆笑するぐらいオカシイ思いをしながら歌わないと、ウソは聴いてる人にバレてしまうのです。
レコーディングの場面ではしばしば「音に入っていない効果」というものが有効に使われます。
「種あかし」はすでに他のメンバーのブログにアップされた動画で見る事ができるんだけど、あの「コレキヨ・ダンス」は実はそういう場面での出来事だったのです。

コレキヨの後ろに歌詞が書かれた黒板とマイクが立っていて、手前側にいるメンバー全員は彼のダンスを見ながら歌っているのですね。
ま、そんな感じで実に「メデタシメデタシ」なボーカルトラックが録音できたのですが・・・
それに「かかった時間」というのは、確実に「ヨソにシワヨセ」として表れたのでした。
1曲しか録れなかった!
しかし、その「ハッピーなうた」の入った「あの名曲」のニューバージョンは近々ドドーンとシングルカットするもんね。
しかし!
前・後編書いて「ハッ!」と気づいたんだけどさ。
たしかに「ウラ話し」といえばウラ話しなんだけど「合宿」の本流といえばコッチが本流!
俺が必死にアレコレしていた間、みんな楽しそうに遊んでたウラ話し書きなさい!!!


鬼頭哲http://kito-akira.com