実録「全国の地獄」

最近眠っているトロンボーン


ブラバンのレパートリーの中に「全国の地獄」という曲があります。この曲には、


  全国の地獄 / Instruments' Blues (2004)
 『中学や高校の吹奏楽部で演奏をした経験がある人はとても多いという。
  それなのに、大人になっても音楽を続けている人は少ない。
  じゃあ、あの楽器たちはどこへ消えた? 使われなくなった楽器が山ほど眠っているはずだ。
  日本は楽器屋にとっては天国だけど、楽器にとっては地獄の国。
  そんな事を考えていたら「全国の地獄」というタイトルが頭に浮かんだ。  もちろん「天国と地獄」の駄洒落なんだけど。


  どんな形であれ、一度始めた楽器は続けるべきだと思う。
  音楽を続けていくことの楽しさをろくに教えようともしない「教育音楽」に、僕は喧嘩を売って行こうと思う。
  なにが「音楽とは読んで字のごとく音を楽しむものです」 だ! 「音で楽しませる」ものじゃねぇのか?
  そんな気持ちを込めてみました。(鬼頭 哲) 』 http://www.kito-akira.com/brassband_repertory.html
という作曲者の解説が付いています。


話は変わりますが先日、高校生時代の吹奏楽部の同級生達と久しぶりに会う機会がありました。高校を卒業してから既に干支が一回りし、10人ほど集まった同級生は、それぞれの毎日を過ごしています。
ここでふと気になったのが、卒業後10年以上経った今でも楽器を続けているのかどうかということです。
案の定、今でも楽器を続けている人はほとんどいません。
高校生の時に既に自分の楽器を持っていた人もいました。あの楽器はどこへ消えたんでしょう?
クローゼットの奥に眠っている楽器、既に売り払われてしまった楽器、さまざまな末路を辿っているようです。
その中で、6月のサニーサイドでのライブを見に来てくれていた同級生は、ライブを見た後で、何年かぶりに楽器ケースを開けて楽器を取り出してみたそうです。


「音で楽しませる」10月18日の鬼頭 哲 ブラスバンド「十月の絶唱」を見たら、きっと、眠っていた楽器を起こしたくなりますよ。
http://www.kito-akira.com/brassband_schedule.html

(小島 弓枝)