ひさしぶりに

ベスト・オブ・グレン・ミラー
スィング時代全盛期ものを聞いてます。ベニーグッドマンやトミードーシー。デュークエリントンにグレンミラー。やっぱりどれも本物は素敵です。この頃のビッグバンドものは横にフレーズが流れていて、バッキングの打ち込みとか非常に少ない。リズムがしっかり4つにきざんでるのに、流れるようなカウンターラインがとっても綺麗で縦のリズムをまったくかんじない。メロディーもさまざまな楽器がフレーズごとに担当するんだけど、次のメロディーへの引渡しがとっても綺麗でまったく違和感がないし、セクションできかせたりソロできかせたりするので遠近法をつかってるみたいで、ストーリーが頭に浮かんでしまいます。
特にグレンミラー楽団の「ムーンライトセレナーデ」。昔はこの良さなんてこれっぽっちもわかんなかったけど、ひさしぶりにきいたらものすごく鳥肌がたってしまいました。しみじみします。管楽器が歌いまくってますね。なにがすきかというとひとつひとつの音にものすごく推進力があって、無駄な音が一音もない。綺麗だなー。ドレミファソラシドの組み合わせでこんなメロディーつくれちゃうんだもんな。すてきだな。
ティンパンアレーの曲にも「ムーンライトセレナーデ」をモチーフにしている曲がありますね。大貫妙子山下達郎がコーラスで「ムーンライトセレナーデ」のフレーズを歌っているんですけど、これも素敵です。是非きいてみてください。
音楽に恋しちゃいます。恋をするとその音楽の中に浸りたくてしょうがなくなる。こういう聴き手ならではの感覚絶対なくしたくないですね。ああスキだな。恋だな。

(山田 奈緒http://nap.gozaru.jp