ハテ、どうしたものか?

kabb2010-03-20

6月に公演をする北海道は「遠軽」に行ってきました。
いろいろな確認や打ち合わせ、公演内容のイメージ作りなど。
それから俺にとって重要なミッションに「曲を作る」というのがありまして。
これまでも、ツアーに出た先でインスピレーションを得て作った曲はたくさんあります。
ヨーロッパで作った「下降する回廊の途中まで」やシベリアでの「風光」
ツアーじゃなくても近所を散歩していて思いついた「夕陽」や「(株)サンダル観光社」・・・
自然に出てきたものもあるし「よし!作るぞ」ってのもあるし。
今回も遠軽公演のために「なにか作るぞ!」と意気込んで行ったのです。
で、もう空港に降りた途端に「わ〜!」と。
もちろん、飛行機が高度を下げて徐々に地上が見え始めた時から「わ〜!」だったんですが、機外に出た時の「空気の違い」にまず「ビビッ!」と来ました。
それから、迎えに来てもらった車で車窓をながめながら「わ〜!」


    


湧別の港へ寄り道してもらって「わ〜!」
湧別から遠軽までの国道242号線、ここは「北海道でも2番目に長い直線道路」だそうで、そのだだっ広さと空の高さに「わ〜!」
一瞬、視界をさえぎるような「地吹雪」に「わ〜!」
    
遠軽の街を散歩して「わ〜!」
    
実際、思っていたほど雪もなく、覚悟していった割には「拍子抜けするほど」暖かかったんだけど。
軒先に「凶器」のようにぶら下がった立派な「つらら」
ようするに、これが「溶けない」で鍾乳石のように育っているという事はそれだけ「冷えている」という事。

東京なんかとは質の違う「冷え込む寒さ」が実に心地よいのです。
こういうのは地図や写真を見ていただけでは絶対わからない「現地に来てこそ」経験ができて、はじめて得られる感覚。
これを味わう為に、わざわざ来たわけです。

一夜明けて、ホテルをチェックアウトした後は飛行機までの時間に紋別の街や、時期ともなれば周りを「流氷に取り囲まれる」という「オホーツクタワー」って観光施設などを案内してもらって「わ〜!」
     
とにかく、滞在期間中ずーっと「わ〜!」ってなりっぱなしでした。
で、以前思いついて、まだ曲として出来上がっていない「モチーフ」みたいな物とリンクしたんですね。
それが膨らんでいくイメージをたくさん得たのです。
今回の「課題」でもある曲作りというミッションはウマいったかと思われたのです・・・
が。
二日間、俺をアテンドしてくれた杉森さんは「わ〜!」となってる俺を横目にクールだったわけです。
考えてみたら、実に「当たり前」の話で。
杉森さんにとってはどれもが「日常」の風景なわけです。珍しくもなんともない。
これまで、ヨーロッパやシベリアで見てきた景色を曲にして、日本のお客さんに紹介してきました。
それは「アリ」
でも、遠軽でインスピレーションを得て作った曲を遠軽で演奏するってどうなんでしょう?
ようするに、持たせてもらった「お土産」を現地でその場の人と食べる、みたいな。
地元の人が愛着や自信のあるものを外に向かって発信するというのは「アリ」なんでしょうけど、ヨソ者の俺が・・・
なんか、今は「わ〜!」ってなってますけど、その辺りを「ひとひねり」しないと「おもしろくもなんともない」って事になりかねないなぁ〜
ハテ、どうしたものか?



(鬼頭 哲)http://kito-akira.com